RCはReinforced Concrete=鉄筋で補強(Reinforced)した、コンクリートと鉄筋の複合材料です。コンクリートの中に鉄筋を埋め込んで、一体になって働くようにしたものです。
コンクリートの最大の弱点は、圧縮したときの強度は強いのですが、引っ張ったときの強度がその10分の1程度しかないこと。また、ねばり強さもありません。
それと比較すると、鉄筋の引っ張ったときの強度は100倍以上です。したがって、コンクリートの欠点を補うようにしたものが、鉄筋コンクリートなのです。
この鉄筋コンクリートは複合したことによって、さらに別の長所も出てきました。1. コンクリートの中の鉄筋は、コンクリートがアルカリ性であるために腐食せず、数十年の耐久性を持つ構造物になった。2. 鉄筋とコンクリートは熱による膨張の程度がほぼ同一であるため、設計段階で考慮する必要がないこと。3. コンクリートに埋め込まれた鉄筋は付着力が十分に大きいため、両者は同時に外力に抵抗していく。
一方、PCはプレストレス・コンクリート(Prestressd Concrete)の略です。鉄筋コンクリートよりも後発で、いっそう進化させた複合材です。PC鋼材(PC鋼線、PC鋼棒、PC鋼より線など)を中に入れて、コンクリート部材に荷重が働く前に逆方向の力がかかったような状態にして、荷重を受けるときに、コンクリートに引っ張る力が発生しないように造られたもの。あるいは、引っ張る力を制御するように造られたものというわけです。
補強といった点から見ると、RCはひび割れを想定し、許容した受身の補強。PCはひび割れを許容しない、加重に対抗する力をかける対抗的な補強と考えられるでしょう。