地震動とは、地震によって発生する揺れのこと、そして「地震動レベル1」「地震動レベル2」というのは、構造物(建物)の耐震設計を行うときに、耐えられる地震の大きさを、大まかに2段階に分けたものです。
「地震動レベル1」は中規模の地震で、その構造物の耐用年数中に一度以上は受ける可能性が高い地震動を指しています。つまり、比較的頻繁に起きている地震です。
この地震動に対して、構造物はおおむね弾力的な揺れで対応するように設計しています。端的にいえば、ひび割れなどが起きないように、ほとんど無傷で耐えられることを目標に設計しています。
「地震動レベル2」は、その構造物が受けるであろう過去、将来にわたって最強と考えられる地震動。想定しうる範囲内で、最大規模の地震を指します。たとえば阪神淡路大震災がそれにあたります。
この「地震動レベル2」に対して、構造物が倒壊したり、外壁が脱落したりして、人命を奪うような被害を生じないように設計することを目標にしています。
当初、こうしたものは非常に抽象的な表現だったため、地震の外力の最大速度値や、加速度値が設計者によってまちまちだったことがありました。そこで、のちに具体的な数値で示すようになったわけです。
その目安は、「地震動レベル1」に対しては25カイン(cm/s)以上で基準化した地震波を想定。「地震動レベル2」に対しては50カイン以上で基準化した地震波を想定したのです。カインとは、地震の大きさを表す単位のひとつで、構造物が1秒間に何センチ変位したかを示すものです。
参考までに、阪神淡路大震災は90カインで、「地震動レベル2」の2倍近いものでした。阪神淡路地区では想像を絶する規模のものだったといえるでしょう。